設立趣旨
テレイグジスタンスは,人間が現前に現存する空間とは別の空間を,高い臨場感をもって体験し行動することを可能とするとともに,自己の存在感をその空間へ拡張するものであり,バーチャルリアリティ技術・ロボット技術・通信技術を極め,統合することにより可能となります.テレイグジスタンスの展開領域としては,従来から研究開発が進められている医療応用や災害や事故現場への適用にとどまらず,米国企業を中心としてオフィスワークへの遠隔地からのロボットを介した参加や病床の生徒の遠隔通学などの新規分野へも進出しており,テレイグジスタンスが社会の中で根付き始めています.更に,現代社会の特徴であるグローバル化と高齢化や核家族化の流れの中,コミュニケーションの高度化へのニーズが益々高まっており,テレイグジスタンス技術の発展への期待は一層加速されると予測されます.
一方,国内でも例えば日本バーチャルリアリティ学会で「テレイグジスタンスのためのロボティクス・グラフィクス・インタフェース」特集号が企画されるなど広がりをみせていますが,テレイグジスタンスの概念,原理,設計法,活用法を的確に理解する研究者,技術者の数は限られており,同技術を広く実用化に繋げるまでには至っていません.そこで,日本バーチャルリアリティ学会にテレイグジスタンスに関する研究会を設置して,テレイグジスタンスとその関連技術の最新成果の共有を行い,概念・原理・設計法・活用法などの体系化を目指します.それとともに,啓蒙普及を行い,文化としてのテレイグジスタンスの実用化に繋がる道を拓き,社会のための学術としてのテレイグジスタンスの展開を目指します.
日本バーチャルリアリティ学会 テレイグジスタンス研究委員会 VRSJ Special Interest Group of Telexistence https://telexistence.net/ |
更新日 2012年5月10日 10:06 am