SIG TX
Special Interest Group on Telexistence

VRSJ2022オーガナイズドセッション

「今あらためてメタバースを考える―メタバース設計論の構築にむけて」

開催日:

2022年9月12日(月) 15:30 〜 16:50 

開催場所

       第27回バーチャルリアリティ学会大会

札幌市立大学デザイン学部 Room A   および ZOOMによるオンラインのハイブリッド

31A:リアリティを探る【OS】

主催:テレイグジスタンス研究委員会 14日 AM1(9:00-10:30)
会場:Room A(D307)
座長:稲見 昌彦(慶應義塾大学)
31A-1VR技術が顕わにする世界と自己のリアリティ○前田太郎 (大阪大学)
31A-2身体のリアリティ○北崎充晃 (豊橋技術科学大学)
31A-3Substitutional Reality (SR)技術による「現実」に関するひとつの考察○藤井直敬 (理化学研究所

講演題目

今あらためてメタバースを考える―メタバース設計論の構築にむけて

基調講演

講演1:メタバースを原点に戻り歴史的に考察する

舘 暲(東京大学名誉教授)VIDEO

VRの誕生から現在までの時代をこの分野の先駆的な研究者として牽引してきた演者が,メタバースの当初目指したものを歴史的に考察し,現在までのあり様をテレイグジスタンスなどの観点から俯瞰して,これからのメタバース設計論につなげる.

講演2:メタバースの身体性とは何か

南澤孝太(慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)

メタバースにおける身体性について,特に,ハプティクスの観点から考察する.メタバースに触覚は必要か.必要だとすればどのような具体的な方法論が効果的か.触覚の提示技術や伝送技術も含め議論する.

講演3:現在のメタバースを批評する

前田太郎(大阪大学大学院情報科学研究科教授)

長らくVRやテレイグジスタンスにかかわってきた現役の研究者として,現在のメタバースに抱く多くの危機感を徹底的に辛口に述べることにより,今後のよりよいメタバース構築のための起爆剤とする.

パネル:メタバースの設計論の構築にむけて

幾つかのテーマごとに,上記講演者と視聴者も交えて議論を深める.

 総合討論ファシリテータ

古川正紘(大阪大学)

OS概要

本セッションでは,メタバース設計論の構築を論ずるため,1件の基調講演と2件の話題提供の後,パネルディスカッションを行った.基調講演として,東京大学名誉教授 舘 暲 先生より,「メタバースを原点に戻り歴史的に考察する」と題するご講演を賜った.Snow Crash で Neal Stephenson が1992年に描いた当初目指したメタバース像に立ち戻ると,メタバースは自分の肉体の複写先であり,いわば「存在感の拡張」の場であると位置付けられると論じられた.続いて1件目の話題提供として,慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 南澤孝太 先生より,メタバースにおける身体性の観点から話題提供を頂いた.メタバースにおいて外観・機能としての身体性は自身の複写とは限らず再設計可能であり,個人が新たに社会的役割を果たすことにつながるという事例が紹介された.2件目の話題提供として,大阪大学大学院情報科学研究科教授 前田太郎 先生より,メタバースの将来像について考察がなされた.現在のメタバースはリアリティや身体性が不要なリアルからのエクソダス(脱出)先であり,リアルに拘束されないバーチャルな身体性に基づく社会が構築されていると述べられた.パネルディスカッションでは,メタバースによって存在の唯一性を超えられるか,自身の多重化はマルチバースと呼べるものになるか,という観点で熱心な意見交換が行われた.本セッションはオンラインで60名程,現地会場に130名ほど,計190名もの聴講者があり,本企画への関心の高さを示していた.

 

主催

テレイグジスタンス研究委員会

詳細

第27回日本バーチャルリアリティ学会大会プログラム

更新日 2022年11月8日

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